営業利益率とは、
売上高に対してどれだけ営業利益を生み出しているかを示す指標です。
営業利益は、本業の事業によって得られた利益を示します。
そのため営業利益率を見ることで、
・その会社の事業がどれだけ効率よく利益を生んでいるか
・商品やサービスにどれだけ競争力があるか
を判断することができます。
この記事では、営業利益率の計算式、営業利益率から読み取れる企業の特徴や指標を見るうえでの注意点、業種別の水準など、わかりやすく解説していきます。
営業利益率の計算式
計算式は次のとおりです。
営業利益率(%)= 営業利益 ÷ 売上高 × 100
例えば、売上高が1,000、営業利益が50だとしたら、営業利益率は5%となります。
企業分析において、営業利益率は会社の「稼ぐ力」を測る代表的な指標です。
営業利益率が高い会社の特徴
営業利益率が高い会社は、
商品やサービスに強い競争力を持っている可能性が高いといえます。
例えば、
- ブランド力が高い
- 他社にはない独自技術がある
- 強い顧客基盤がある
- 代替サービスが少ない
といった企業です。
このような会社の商品やサービスは、
多少値段が高くても「欲しい」「利用したい」と思われるため、
価格競争に巻き込まれにくく、利益率を高く保つことができます。
営業利益率が低くなりやすい業種
ビジネスモデル的に、営業利益率が低くなりやすい業種もあります。
例えば、
- どこでも買える商品
- 差別化が難しいサービス
- 価格競争が激しい業界
などです。
具体的な業種でいえば、例えば、
- スーパー
- 外食
- 小売業
などは、一般に営業利益率が低めの業種です。
これらの業種は、商品の差別化が難しく価格競争になりやすいため、
利益率が低くなる傾向があります。
営業利益率の目安はどれくらい?
営業利益率の水準は、業種によって大きく異なります。
一般的な目安としては次のとおりです。
| 営業利益率 | 評価 |
|---|---|
| 20%以上 | 非常に高い |
| 10%以上 | 高い |
| 5%前後 | 平均的 |
| 3%以下 | 低い |
ただしこれはあくまで目安です。
以下は、経済産業省の調査結果に基づき、2024年度の営業利益率を業種ごとに示したものです。

鉱業、採石業、砂利採取業やサービス業、情報通信業などは営業利益率が高いですが、
卸売業、小売業、電気・ガス業などは営業利益率が低くなっており、
業種によって大きく水準が異なるのが見て取れます。
そのため、企業分析では同業他社と比較して高いか低いかを見ることが重要です。
営業利益率の改善方法
営業利益率を改善するためには、基本的に次の2つの方法があります。
① 粗利率を改善する
② 販管費を抑える
または、その両方です。
粗利率の改善
粗利率とは売上高に対する売上総利益の割合です。
粗利率を改善する方法としては、
- 商品の付加価値を高める
- 原材料コストを下げる
- 値上げを行う
などがあります。
販管費の抑制
販管費とは
- 人件費
- 広告宣伝費
- 物流費
- 水道光熱費
- 本社費用等
などのコストです。
業務の効率化やDX化や省エネ取り組みなどにより、
無駄なコストを削減することで営業利益率を改善することができます。
売上成長が利益率改善を生む場合もある
売上高の増加が、結果として営業利益率の改善につながることもあります。
まず、売上が増えると、一般に仕入交渉力が高まり、原価率が下がりやすくなります。
また販管費には、
- 本社費用
- システム費用
- 管理部門人件費
などの固定費が多く含まれています。
売上が増えることで、相対的にこれらの固定費の割合が下がるため、
販管費負担の軽減にもつながります。
このように、企業が成長することで利益率が改善するケースも多くあります。
事業ポートフォリオの見直し
企業によっては、複数の事業を展開している場合があります。
その場合、利益率の低い事業を整理・縮小することで、会社全体の営業利益率を改善することも可能です。
また、
- 複数店舗を展開するビジネス
- 複数ブランドを展開する企業
では、収益性の低い店舗や事業を整理することで、収益性の高い事業にヒト・モノ・カネの資源を集中し、全体の収益構造を改善するケースもあります。
営業利益率を見るときの注意点
営業利益率を見るときは、単年度だけで判断しないことも重要です。
例えば、
- 新規事業への投資
- 人材投資
- 広告投資
などが増えている場合、一時的に営業利益率が低下することがあります。
一方で、営業利益率の低下は、企業の競争力が落ちているサインの場合もあります。
営業利益率が低下している場合は、原因をよく確認し、企業の競争力低下か、将来の成長に向けた先行投資なのかを確認することが重要です。
利益率が低下している際に見るべき視点についてはこちらの記事で解説しています
→増収減益とは?|売上が伸びているのに危険な決算の見分け方
まとめ
営業利益率は、売上高に対する営業利益の割合を示す指標で、
会社の「本業の稼ぐ力」を判断する重要な指標です。
企業分析では、
- 営業利益率はどれくらいか
- 同業他社と比べて高いか
- 長期的に改善しているか
などを確認することで、その会社の競争力や収益構造を読み取ることができます。
また、営業利益率だけでなく、
- 売上高総利益率(粗利率)
- 経常利益率
- 当期純利益率
についても、合わせて確認し、売上の大きさだけでなく、どれだけ効率よく利益を生み出しているかを見ることが、企業分析では重要です。
収益性の分析については、こちらの記事で解説しています
→決算分析における収益性とは|「きちんと利益を残せている会社か」を見る
※本記事は企業分析の考え方を一般的に解説するものであり、特定企業への投資判断や取引を推奨するものではありません。実際の判断にあたっては、必ず最新の公式資料をご確認ください。


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